猫は自由気ままでマイペース、散歩も必要ないし、初心者でも飼いやすいのでは？と思われがちですが、猫にはたくさんの習性やそれに基づく行動があり、一緒に暮らして初めてわかることがとても多いです。猫も飼い主も幸せに暮らしていくために、飼う前に知っておきたい猫の習性と行動について詳しくご紹介します。
猫の習性と行動
１．狩猟本能が強い
そもそも猫は肉食動物、かつては狩りで獲物をとり食べていました。その本能は室内飼いの猫でも健在で、動く物やおもちゃを狙って飛びついたり、急に走り出したりします。猫の運動不足解消やストレス発散のためにも、猫じゃらしや動くおもちゃを使って、できるだけ一緒に遊ぶ時間を作ってあげましょう。
２．高い所が大好き
安全で敵に襲われにくい場所を本能的に好むので、高い所が大好きです。猫の身体能力は非常に高く、優れたジャンプ力やバランス感覚を持っていて、本棚や冷蔵庫の上、時にはカーテンレールやエアコンの上にまで登ることもあります。一緒に暮らし始めたら「こんなに高い所に登るの！？」と驚くはずです。キャットタワーを設置したり、家具の配置を工夫したり、猫が上下運動できるようにしてあげましょう。
３．狭い場所に入りたがる
箱・袋・引き出し・こたつの中・ベッドの下など、とにかく狭い場所に入るのが大好きです！これも安全な場所に身を隠すという防衛本能からの行動なので、猫にとって隠れ家になる場所をいくつか用意してあげるといいでしょう。
４．爪とぎは欠かせない
猫にとって毎日の爪とぎは欠かせません。この爪とぎは狩りのために爪を鋭くするだけでなく、ストレッチや自分のにおいを残すためのマーキング、気分転換やストレス発散といった意味合いもありますので、やめさせることはできません。壁やソファなどに傷をつけないためにも、爪とぎ器を複数設置してあげてください。
５．毛づくろいをする（グルーミング）
猫はとってもキレイ好きで、多くの時間を毛づくろいに費やします。舌を使って体中の毛をペロペロと舐めることによって汚れやにおいを取り除き、体を清潔に保ちますが、気持ちをリラックスさせたり、体温調節といった役目もあります。
６．スリスリする
人や物にスリスリと顔や体をこすりつけるのは、縄張り意識からのマーキング行為で、においをつけて「自分のもの」と主張しています。他にも挨拶や親愛の気持ちを表す行為でもあり、飼い主にスリスリするのは愛情の表れです。毎日あちこちに何度もスリスリして、においを上書きしています。
７．喉をゴロゴロ鳴らす
猫は嬉しい時やリラックスしている時に、喉をゴロゴロと鳴らします。猫好きさんにとって、このゴロゴロ音は何よりのご褒美です！ただし、不安や痛みがある時に自分を落ち着かせるために鳴らすこともありますので、そんな時は猫の状態をよく観察してあげてください。
８．よく寝る
猫の語源のひとつでもある「寝子」からもわかる通り、よく寝る猫。なんと一日のうち14〜20時間も寝て過ごします。ですがその大半は浅い眠りで、ぐっすりと熟睡しているのは4時間程度といわれています。気持ち良さそうに寝ている猫を見ているだけでも癒されますよね。
９．深夜の運動会
飼い主が寝ようと思ったタイミングや寝始めた頃に、猫が室内を走り回ることがあります。多頭飼いの場合は、鬼ごっこのように追いかけ合う大運動会が繰り広げられることも。あまりに激しくて飼い主が睡眠不足になることもあるので、夕方や就寝前にたっぷりと遊んであげるなど工夫しましょう。
１０・猫は薄明薄暮性
深夜に走り回る猫も多いことから夜行性と思われがちですが、実は「薄明薄暮性（はくめいはくぼせい）」。明け方や夕方の薄暗い時間帯に最も活発になるという性質を持っています。この薄暗い時間には、猫の獲物であるネズミや鳥などの小動物の動きが活発になるため、狩猟本能の名残でこの時間に活発に動き回ると考えられています。早朝の4〜5時に猫に起こされてまだ眠い…という飼い主さんが多いのは、そのためです。この時の猫は、たいていお腹を空かせています。早朝に起こされないように自動給餌器を使うなど、対策することは可能です。
まとめ
猫には、このように様々な習性や行動があり、人間の思い通りにはなりません。ですが、それが猫であり、猫の魅力でもあるのです。猫と一緒に暮らすためには、猫の行動を正しく理解し、その行動に人間が寄り添っていくことが大切です。一緒に生活するうちに猫も少しずつ人間の生活ペースに合わせてくれるようになりますが、基本的には「猫ファースト」の気持ちで接することが、猫好きさんにとっては一番幸せなことですよね！ぜひ一人でも多くの方に、猫との生活を楽しんでいただきたいです。
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